AIでギュラれるマーケティングスキル
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今回は「AIでギュラれるマーケティングスキル」の話です。「ギュられる」とは、AIの進化によって自分の仕事やスキルが代替され、奪われてしまうことを意味するネットスラングです。
こういう業務はギュラれる。つまりAI活用して、AI化できる。人間の手から離すことができるというものです。
以下2点のような業務はすでにAI化が容易だと考えています。
PCカタカタ系
一般論コネコネ系
PCカタカタ系
PCカタカタ系とは、言葉のとおり「PCに向かって、手順どおりにカタカタやれば終わる」仕事です。
具体例:
資料作成(議事録、社内資料、提案資料)
管理画面からのデータ集計と分析
競合調査や事例収集
入稿作業(WordPress等)
インターンやジュニアに任せていたような調べ物、デスクトップリサーチなどはすでにAI化されている方も多いでしょう。
ブラウザ操作を行なって何かするものもAI化が進みます。ChatGPT WorkやClaude in Chromeなど実用に足るようになってきていますから。MCP連携もどんどんできるようになるでしょうから、ツール間、アプリ間をまたぐような作業も減っていくでしょう。
広告運用についても以前から自動化が進んでいますが、もっとAIに任せられるようになるでしょう。予算調整だったり、やたら広告費を使わせようとするMeta広告等のプラットフォーマーの思惑にハマらないような調整は残るでしょうか。
また、UCPという規格が生まれてネットの買い物がAIエージェントに任せられる未来もやってきますし、AIネイティブな消費者行動、すなわち「消費者行動のなかにAIエージェントが介在する前提」で組み立て直していかないといけなくなります。
一般論コネコネ系
一般論コネコネ系とは、「与えられた素材もとに一般論で組み立てて提出する仕事」です。当てはめ型思考、フレームワーク思考や定石活用とも言えるでしょう。
具体例:
ちょっとしたコンテンツSEO記事作成
基礎的なSEO施策立案
ちょっとした時事ネタのSNS投稿作成
GA4からトラフィック×CVで各ページ分析
定石的な戦略立案
競合LPをジョブ理論で分析
強化商品のカテゴリーエントリーポイントの洗い出し
カスタマージャーニーマップのドラフト作成
リサーチ企画書の作成
ポイントとしては、ジュニアクラスが行えるような思考ものに限らず、世界中のベストプラクティスを集めさせた上で思考させることもできること。
「達人たちにとっての一般論」でのコネコネもAIでは既に行えます。まだ試していない人はプロンプトに「世界中のベストプラクティスを調べ抜いた上で」のようなフレーズを加えてみてください。アウトプットが変わりますから。
目的関数がはっきりしているような「最適化問題」や、すでに解く道筋が決まっている「マニュアル仕事(超高度なものも含め)」はAIに任せれるものです。
私自身、SEO記事制作のAIエージェントを作ってみた経験からも、もう一般論から組み立てるようなもの、テクニカルなノウハウがネットに転がっている業務はAIでも80-90点近いアウトプットが出るようになったと感じました。
逆に言うと、変数が不明確・目的関数が複雑なものはAIがギュる要素は少ないと感じます。短期施策とのリソースバランスの意思決定が必要な中長期のブランド構築や、「これはうちのブランドらしい・らしくない」といった判断が伴うようなものです。ファウンダー的な要素が強く、AI以前に人にも任せづらいようなものですから。言語化できればAI化は一定できるのですが、その言語化にまだ苦しむ人も出てくるでしょう。
隣接領域もギュれる
他にも、隣接領域も代替しやすくなりました。デザイナーやライターやエンジニアに依頼していた業務をAI活用することによりマーケティング業務として完結させやすいです。マーケティングスキルマップの中段にある「クリエイティブ」「エンジニアリング」の領域です。
具体例:
サムネイル作成
無味無臭なテキスト・コンテンツ制作(一般的な文体での記事化)
長尺からの切り抜きショート作成
Claude CodeやCodexによる簡易なアプリ開発
ちょっとしたコーディング(HTML/CSSなど)はバイブコーディングでok
とはいえ、デザイン業務のゼロイチについてはブランドアイデンティティが絡むため一発のプロンプトでいいものが仕上がることは難しいです。
しかし、テンプレ化されているもの、それっぽい成果物でも許容できるような顧客接点や活用法であればAI化で済むようになります。
ギュラれにくいのは指揮者と感情労働か
では何がAIに代替えされにくいのか。
現時点では以下のような業務でしょう。
具体例:
ボスマネジメント
メンバーマネジメント
他部門調整
いわゆる「人間インターフェース」としての媒介や介在です。感情労働的な側面もあるマネジメントやディレクションと呼ばれるようなものでしょう。
ここでは「心コネコネ系」と呼ぶことにしましょう。
他にも、まだAIには学習データが存在しないものはアウトプットがよろしくないので任せにくいでしょう。
フィジカルAIについても盛んですが、導入コストに見合わないと結局は人間がやることになるので一定は残るかもしれません。現場の視察とか、巡回とか、取引先との接待による関係構築・深化や、対面でのインタビュー調査などですね。
意思がある人はギュラれない
こうして見ると、AIに切られる人というのは「意思がない人」になるのでしょうか。
やりたいことがない人、目指したいものがない人、高みを目指していない人、今やってることやこれからやることをもっと楽にできる方法がないかに興味がない人は、そもそもAIを活用する動機をもっていません。
いくら障壁を除去したとて、きっかけを与えたとして、動機を持たなければ行動は起こしません。私が愛用する行動科学のフォグ式行動モデルからもそう言えます。
結局のところ、「AIを使おう」「定石的な施策を作ってみよう」という意思を持っているかどうかが分かれ目になるのでしょう。
AIの活用スキルがそこそこでも「いろんなことをやりたい」という強い意思を持っている人は、試行錯誤のサイクルをうまく回せます。「ソロプレナー」などの言葉がある通り、少人数でもできることが圧倒的に増えています。
以前にはブリーフィングと審美眼などの、スマイルカーブの両端は残ると書きました(中間こそAIの絶好の活躍ポイント)。これは、意思ある人の役割だからです。何をなすべきか、この成果物で次工程にパスしていいか、市場に投入していいかの判断ですから。
主導する役割、ラストマン、商売の当事者をもつような人は、「AIを使い倒す側」のマインドや行動に自ずとなります。逆のような人からギュラれる運命なのだと思います。
また、当たり前ですがAI導入をしていないとAI化はされませんので、その前提となる環境づくりも欠かせません。AIツールは導入されていても、AIを使いこなせたりドメイン知識豊富だからこそ浮かぶユースケースなどもなければ、AI化は進みません。前提となるリテラシーも欠かせないものです。
こうした環境が揃い、意思ある人から、自ずとPCカタカタ系作業と一般論コネコネ系作業を手放していくのだと思います。
こうした業務を手放せているかどうか、マーケ部門は手放しているかどうかをぜひ見つめてみてください。AIスキルマップも参考になると思います。
あなたのチームにも役立ちそうと思ったらぜひ転送してください。
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